一体なぜだろう

 卓球男子のレジェンド水谷氏は、昨日の卓球女子団体戦、第一試合のダブルス最終セット終盤「9-5から逆転負けは痛すぎる…技術なのか戦術なのかメンタルなのか」とコメントしています。

 まさに同感です。この試合を手中に収めれば、好調のエースポジション平野の奮闘で、別のゲーム展開になった可能性があります。

 私の世代で中国卓球というと、ペンホルダー前陣速攻というイメージですが、河野満選手と世界選手権男子単決勝を争った郭選手あたりから、ドライブ前・中陣が出てきたような印象です。

 話は戻りますが、鍛え抜かれた体、技術・戦術、メンタル。残る要素は「確実性(確率)」と私は考えます。AI等を駆使し、この面でも相当工夫しているのではないか。現在、中国トップ選手は全てシェークハンド。これも考え抜かれた結果か。

樊振東選手と互角に

 昨日の張本、平野選手は惜しかったですね。張本選手の敗戦後の前向きなコメントには感心しました。今後の飛躍に期待したいところ。平野選手の号泣するのでなく、少し涙ぐんだのが可憐でしたね。平野選手がサービスに入るとき、一瞬ゾーンに入ったような姿が素敵です。

 さて、CCTV5を観ると、地元フランスのルブラン(LEBRUN Felix 17才)選手が樊振東選手といい試合をしていますね。中国はペンホルダー前陣速攻、欧州はシェークハンドドライブというイメージでしたが、今回は逆のパターンです。結果は 4-0 で樊振東選手のストレート勝ちでした。

Quiet Please !

 世界卓球団体女子決勝、優勝まであと一歩でしたね。孫選手の格上の実力をみせつけられました。体力、技術もさることながら、中国選手のメンタルの強さには毎度感心させられます。

 平野選手のサーブをするときのゾーンに入ったような表情が素敵ですね。早田選手はエースの役割を果たし、張本選手は大器の片鱗を見せてくれました。伊藤選手の笑顔が見られたのもよかったです。

 終始笑顔が絶えない日本ベンチ、険しい表情を浮かべる馬琳監督率いる中国ベンチ、対照的でしたね。

世界チャンピオンとお手合わせ

 今年も卓球全日本選手権の開催時期となりました。昨年は、女子シングルスで早田ひな選手が、3年ぶり2度目の優勝、史上4人目の3冠を達成しました。普段どちらかというと、ポーカーフェイスな印象ですが、試合後インタビューで涙ぐむ写真に、昔、卓球をやっていた身としては、ぐっとくるものがありました。

 中二だった71年に、中国との親善試合のため、近くの中学の体育館で、伊藤、長谷川、河野、田阪、井上、と当時を代表する選手の公開練習を観る機会に恵まれました。自分で言うのもなんですが、私は、あまり運動神経が良いほうではありません。ただ、小4から卓球に触れていたため、同世代ではまあまの腕前でした。あまり動きたくないため、両ハンド攻撃がいいのではと、両ハンド攻撃の名手、河野満選手を目標にしていました。

 練習が終わり、バスに向かう河野選手に声を掛け、ラケットの裏側にサインをいただくことができました。私は、普段、何事にもあまり積極的でないのですが、なぜを声を掛けることができたのか、・・多分、頭より先に体が動いたのでないかと思います。伊藤選手が「おい、河野いくぞ」と声かけて来ました。

 翌年、県代表となり、第2回全国中学卓球大会(東京都中野区立体育館)に出場することができました(予選リーグで敗退)。試合期間中、一流選手との11点ゲームが行われ、私は、河野選手の列に並びました。河野選手の見た目以上にアップ回転のかかっているサーブに、皆、苦戦し、大体、1~2点の得点でした。

 私は、自分のイメージした以上に、角度をつけ、何度かレシーブすることができました。一度ラリーがはじまると、河野選手はミスをしません。私のサーブは、モーションの割には回転がかかっておらず(かけられなかった)、1、2度、河野選手のレシーブミスがあり。11-3の成績でした。「フォアハンド側をもっと練習するように」というアドバイスでした。

 大学1年の77年に、大学正門向かいの学生向け食堂「富士屋」に入ると、丁度、世界選手権男子決勝が放映されていました。河野選手と郭躍華(中国)選手の戦いでした。曲線と直線の戦いと言われ、河野選手が見事世界チャンピオンを手にしました。私は、後に世界チャンピオンとなる選手に直々のアドバイスを受けたのにもかかわらず、それを活かす工夫・努力も乏しく、その後、中途半端な、卓球との関わりでした。

 You Tube で、河野選手がフットワークを活かし、オールフォアハンドで前陣速攻する雄姿を見ることができます。