家附の継子の特例とは

 日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律(以下「応急措置法」という。)の施行の際、戸主が婚姻または養子縁組によつて他家から入つた者である場合には、その家の家附の継子は、新民法施行後に開始する相続に関しては、嫡出である子と同一の権利義務を有するとされています(民法附則26条1項)。
 
 応急措置法3条は「戸主、家族その他家に関する規定は、これを適用しない。」とし、家制度維持のために制度化されていた継親子・嫡母庶子関係なども応急措置法施行後は認められないと解されていますが、上記の特例が残っていることに注意が必要です。
 
 他家から入つて、戸主となった者の財産を、家附の継子(以前から家にいる継子)が相続できないことは、あまりにもバランスを欠く、というのがこの特例の理由とされています。
 
 なお、先の大戦後、米国占領下にあった沖縄では、1945年の米海軍ミニッツ元帥による布告1号により、日本の行政・司法権の停止と、現行法規の維持がなされ、その後の立法である、応急措置法は沖縄には適用されませんでした。
 
 新民法と同内容とする「民法の一部を改正する立法(琉球政府立法84号)」は昭和32年1月1日に施行され、この立法の附則24条に、民法附則26条1項と同様の特例が規定されました。
 
 沖縄においては、昭和31年12月31日までは旧法相続ということになります。

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