不動産登記は権利の変動を登記するもので、権利の所在を直接登記するものではありません。
甲の所有する不動産について、偽造書類により乙名義に所有権移転登記がなされ、その登記を信頼して丙がこの不動産を買い受けたとしても、丙は登記を信頼したことによってした行為は保護されず、丙は不動産の所有権を取得しません。
実際は、登記手続に関与した司法書士の職責や、厳格な登記手続きにより、真実の所有者である可能性は高いのですが、登記の法的位置づけはこのようになっています。
ですから、現在の登記名義人がどのようにして権利を取得したのか、場合によっては更に前所有者の権利取得過程まで調査する必要も出てきます。